新聞案内人詳細

2011年08月30日

川本 裕子 早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授 経歴はこちら>>

政治は過去から何を学ぶべきか(3/3)


  政策の優先順位-何が一番大事か

 例えば事業仕分けは政権交代直後こそ国民に人気が高かったが、それは本来の政策の大目的である財政赤字の大幅な削減や予算制度の改革にはつながらなかった。09年の政権交代後の外交政策は普天間基地問題で振り回され、本来日米関係の基盤強化のチャンスでもあった政権の貴重な最初の数か月は完全に浪費された。震災後の復興や財政再建のカギは経済成長だが、口先だけでなく本当にそこに優先順位が置かれるかどうかは新政権の最初の試金石だろう。

 まだまだ学ぶべき教訓はあるだろうが、まずはこうした点を一つ一つクリアしていかなければ今度も短命政権が繰り返されることになる。

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前回の新聞案内人

松山 幸弘
松山 幸弘 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 経歴はこちら>>

米国の財政赤字と医療

 米S&Pが米国債の格付けを引き下げたことで、米国の財政赤字問題がにわかに注目されている。  米国の財政赤字が拡大した原因としては、アフガニスタンとイラク駐留による国防費増加とリーマンショック後・・・>>続き

2回前の新聞案内人

加来 耕三
加来 耕三
歴史家・作家

後藤新平――桁外れの帝都復興計画

 いつも思うことだが、桁外れな日本人というのは、実はいつの時代にもいた。  「自分には15年先が見える」  と常に豪語し、その大局観の悲喜劇を、  遠眼鏡一人でもてば罪つくり  と自ら狂歌に詠・・・>>続き

3回前の新聞案内人

池内 正人
池内 正人
元日本経済新聞経済部長・テレビ東京副社長

急騰する金価格が 意味すること

 金の国際価格が異常な上昇を続けている。ニューヨーク商品取引所の先物価格は22日、ついに1トロイオンス(31.1034768グラム)=1900ドルを突破した。そのスピードの速さは驚くほどである。 ・・・>>続き

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