新聞案内人詳細

2011年05月26日

川本 裕子 早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授 経歴はこちら>>

東北復興で日本は変われるか(1/3)


  海外投資家の目

 大震災以後、多くの人々が復興への道を模索し、今もなおその必死の努力は続いている。これまで自らを振り返る心理的余裕がほとんどなかったというのが正直なところではないだろうか。2ヵ月半が経過した今、ようやく福島原発事故調査の第3者委員会も発足した。東北復興対策の議論も活発化し、本格化しようとしている。日本社会全体として、震災直後の緊急対応モードから、より客観的な分析を行い、中長期的将来を探る、新たな段階に差し掛かっている感がある。

 こうした際に、日本の対応がどのように「外」から見えるのかに注意することも重要になってくる。原発事故の訪日旅行客などへの影響はいまだ収束の気配が見えないが、海外から見ると事故後の対応に透明性や情報開示の面で不安が残っていることを率直に受け入れる必要がある。
 今回の震災を受けて、海外の投資コミュニティの日本への反応は、一様ではない。復興を機に、日本がこれまでできなかった大胆な改革を短期間で行わざるを得ないという見通しに基づき、それを見越して「日本買い」に転じる動きも一部にあるようだ。英エコノミスト誌も、今起こっている改革機運は日本の希望の兆候であり、これを萎ませてはならないと報じている。

民間主導の経済循環を

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松山 幸弘
松山 幸弘 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 経歴はこちら>>

社会福祉法人が復興貢献を

  病院より儲かる?  数カ月前、ある社会福祉法人経営者が「社会福祉法人は病院より儲かる」と発言したのを聞いた。それまで社会福祉法人は経営が苦しいと思い込んでいたので、自分の常識の正否を確かめるため・・・>>続き

2回前の新聞案内人

関 志雄
関 志雄
野村資本市場研究所シニアフェロー

人口大国・中国の光と影

 2011年4月28日に、「中国の第六回全国人口センサス」の結果が発表された。10年前に行われた前回の調査と比べると、年齢構成や、学歴構造、人口移動など、中国の人口動態の変化が明らかになる。各省の域内・・・>>続き

3回前の新聞案内人

加来 耕三
加来 耕三
歴史家・作家

仏師運慶 創造者の条件

 東日本大震災から、約2ヵ月がすぎた。  今、一人の仏師が気になってしかたがない。  平安末期から鎌倉の初期にかけて、寺社仏閣に仏像を刻んだ仏師、運慶である。  この仏師の生涯は、大半が謎につつ・・・>>続き

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麻生内閣総理大臣と鳩山民主党代表による党首討論(2009年8月12日)


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