2011年08月05日
川本 裕子 | 早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授 | 経歴はこちら>> |
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これを一言簡明に表現すれば「リスク管理」ということになる。そして、リスク管理とは想定外の事態とは何か、を自ら孤独に考えることから始まると言ってよい。いわば、「想定外」を「想定内」に可能な限り取り込もうとする人間社会の営為である。
例えば今、政府機関や企業に対する国際的なサイバー攻撃が大きな話題になっているが、ネット社会ではこうした突然やってくる脅威も決して他人事ではない。もちろん、不確実性を相手にしている以上、完全なリスク管理ということは可能でもないし、求めるべきでもない。重要なのは、「常在戦場」の緊張感を欠かさないリスク管理マインドであり、それを「見える化」し、行動にも組み込むシステムへの落とし込みである。責任者が軽々しく「寝耳に水だ」などと発言するとしたら、それこそが問題だということである。
急激に進む円高も、史上最高値を超えるとなれば多くの人にとってはまさに「想定外」だろうが、想定為替レートは1㌦=何円なのかを定期的に見直しながら設定し、ヘッジ比率を常時把握・変更するシステムがあれば、リスクのかなりの部分には対処できる。
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